きのうに続いて、フィギュアスケート関係、
きょうは、中野友加里がエキシビションで滑る曲について。
Harem by Sarah Brightman サラ・ブライトマンの「ハーレム」と紹介される。
わたしたちは「ハーレム」という言葉から、ある種強烈な印象を受けてしまう。
女性専用区域であり、「後宮」を思い出させる。 それは正しいとは言えるが、最近は
気が付いている人もいるようだ。 ときどき「ハレム」、もしくは「ハリム」と記述さ
れているのを。 是非、それで押し通してほしい。
そこで「ハーレム」だが、これは日本での「ハレム」の「誤発音」だと思う。
それだけなら良かったのだが、この誤解が名曲「ハーレム・ノクターン」に及ぶのは失礼
なことではないだろうか。
ノクターンはジョン・フィールドが創始し、フレデリック・ショパンが発展させた小型の
音楽形式で、なんといっても彼のピアノ曲が夜陰に輝く。
昔、「ニューアムステルダム」と呼ばれていた街、「ニューヨーク」へ出掛ける日本人は
たくさんいると思う。 中にはマンハッタンの「ハーレム」へ行く人もいるだろう。
(語源的にはオランダの地名らしい) アフリカ系の人々が多く住んでいたそうだ。
それ故か、貧困と、それを原因とした犯罪の横行に苦しんだ街と聞いている。
その「悩める街の永い夜」を表現したのが、アール・ヘイデン(Earle Hagen)の名曲。
ハーレム街の夜想曲、「ハーレム・ノクターン/HARLEM NOCTURNE」である。
つまり、日本でいうところの「ハレム」と「ハーレム」は何の関係もない。
思い込みが突っ走っている。
お馴染みのサックスの音色、それをことさら性的イメージに結びつけるのは勘違いでは?
確かにこれは、音楽の持つ抽象性にも原因があるが、誤った先入観に翻弄されたと思う。
誤解の原因が単なる「無知」であるところが日本人として恥ずかしいし、申し訳ない。
この曲で表現されているのは「けだるさ」だろうか、見事にハーレムの夜を表現している
と思うのだが。
Musik ここでは中野友加里が選んだ曲「ハレム」を