「オオカミ少年」と呼ばれた子供達がいた。 なにかの理由で動物に育てられ、成長した。
何歳のときに、親役が人間から動物に変わったのか、それに加え、何歳で人間に遭遇して
人間社会に関わるか。 それがその子の人生に影響する。
ディズニーでもお馴染みの「ジャングル・ブック」、原作はキプリングの小説だが、
この第一話がオオカミによって育てられた少年の話だ。
オオカミに育てられ「オオカミのようになった少年」の話。
「野生児の捕獲例」として事実といわれるケースも多々ある。
資料が残っているものとして、フランスでナポレオンの時代に保護された、いわゆる
「アヴェロンの野生児」という少年のことは、よく知られている。
理由は分からないが、その後の彼、人間社会にはうまく溶け込めなかったようだ。
もうひとつ、わたしたちがよく知る「オオカミと少年の出てくる話」がある。
これは古い。 ギリシャの「アイソーポス」が書いた寓話。 2,500年くらい前の話だ。
彼の名は英語読みでないと日本では通じない、「イソップ寓話」の作者イソップ。
現存する人類最古の歴史書「歴史」の中にアイソーポスのことが出てくるらしい。
つまり、この歴史書の作者「ヘロドトス」より古い人間ということになる。
この話は、「嘘をつく子供」というものだ。 「オオカミと少年」とも呼ばれる。
この少年は「羊飼い」をしているが、オオカミが来たと嘘をつき、周りに迷惑を及ぼす。
これを何度か繰り返すうちに、誰も相手にしなくなった。 あるとき本当に自分の羊が
オオカミに襲われるが、誰も助けに来てくれなかった、という話だ。
「嘘つき少年とオオカミ」の話である。
さて、この嘘つきの子供を「オオカミ少年」と呼んで良いものだろうか。
彼とオオカミとは別のものであるし、存在自体の関係がない。 外敵の一種というだけだ。
彼のことは「オオカミと少年」の少年、と呼ぶべきではないだろうか。
オオカミに育てられた少年の方が、オオカミとの関わりは深い。
オオカミ的であることからも彼を「オオカミ少年」と呼ぶべきではないか。 彼のみを。
混乱があるので、「嘘つき少年」には違う呼び名を与えた方が良い。
誤用が目だつので、ここで提案する(笑)。
嘘つき少年の仕事は羊飼いだ。 ならばその職業で呼ぶというのはどうだろう。
(ここでドラムロール) 彼を「シェパード少年」と命名する。
言うまでもないが「シェパード」とは「羊飼い」のことだ。
Musik ENYA - Shepherd Moons
The two shepherd moons, Prometheus and Pandora, guide particles in the F ring
「シェパードムーンズ」というと、こういう情景しか頭に浮かばない。
専門的になって恐縮だが、これらを土星のFリングに対して「羊飼い衛生」と呼ぶ。
この場合、「プロメテウス」と「パンドラ」。
言葉がないので、彼女が何をイメージして作った曲なのか不明。 どなたかご存じないか。