小田原に近いところを東京に向かって車で走っていた。
そのとき、一瞬見掛けた看板。
江戸までの距離が、何里であるか書かれていた。
一気に記憶が蘇る、50年以上の彼方から。
拙者親方と申すは、お立ち会いの中に、
御存知のお方も御座りましょうが、
御江戸を発って二十里上方、
相州小田原一色町をお過ぎなされて、
青物町を登りへおいでなさるれば、
欄干橋虎屋藤衛門、
只今は剃髪致して、円斎と名のりまする・・・。
そうだよ、「外郎売り/ういろううり」は小田原から江戸へ「透頂香」を運んだのだ。
ここが、お江戸を発って二十里上方という地点だった。 納得納得。
この薬、600年の歴史とは、恐れ入る。
台詞としては二代目の團十朗の初演というから、音楽で言えばバッハ時代。
外郎売りの台詞を暗記している人は、日本にはたくさんいると思うよ。
スミマセン、写真などあろう筈もなく・・・・・。