わたしが頭脳派ということでもないけれど、きのうが誕生日だった家人は、身体を使うことが上手だ。 その意味で肉体派と言える部分がある。
ある日の彼女の道具は、鎌やハサミや剣スコや草刈り機、あげくはノコギリ片手に脚立に登り、キンモクセイの枝を切り始めた。
言ってみれば、ノコで枝を落とすのは簡単。 でも、それらの長さを揃えて束ねるのは、ちょっと凄い技。
こちらは家の中で仕事だったけれど、ときどき窓の外を写してみた。
丈夫でコントロールの効く身体といっても、年齢は積み重なる。
いつまでも肉体派とはいかないだろうな、と思う。
歳を取るってことは初めての経験なので、お互いに、よく分からないのだ。
大げさに言えば、彼女には天馬を駆るヴァルキューレのイメージがある。 オーディンの命を受けて死んだ兵士を選定し、ヴァルハラに導く。
ところで、リヒャルト・ヴァグナーの誕生日も5月22日。
否定的な再評価の声も聞こえる。 彼の反ユダヤ主義と作品との関係を言う人もいる。
聖人と呼ぶべき音楽家はいないだろう。 芸術家に何を期待しようというのか。
ユダヤ人は特別に素晴らしい民族だろうか。 もしくは、特別に愚かだろうか。
どの民族も同様に、特別ということはない。
人は等しく、善きところも悪しきところも持ち合わせている。