個人的な話だが、わたしは戦争が終って5年後に生まれた。
厳密には難しいが、戦争の無い時代を過ごしてきたとも言える。
でも、阪神淡路の震災にはショックを受けた。 ことの大小、規模のことが重要ではないけれど、今度の震災にも驚いた。
人が人を大量に殺すところは、国内では見なくて済んだかもしれない。
しかし、たくさんの命が失われる状況には出会ってしまった。
神戸に友人がいる。 あの朝は大変な思いをしただろう。 そして、それを忘れた日はなかっただろう。
今回もニュースの映像を見ていて思う。 これほどの惨状を目の前にし、家族、友人、知人、そして有形無形の財産を失い、人は立ち直れるものなのかと。
「一億人で構成される救援隊」の一員として、自分には何が出来るのだろう。
この写真は「菜の花」。
あの日、地震が発生する前に、家人が横浜への道すがら買い求めたもの。 帰りは荷物と人を積んで、花は永い時間を車中に押し込められて過ごした。
家に着いたとき、その葉はクタクタだった。
水を与えそっと見守った。
時間が経ち、それが少しずつ勢いを取り戻し、花を開かせた。
人も立ち直れるのだろうか。
Arvo Part - "Spiegel im Spiegel'