お茶の水で楽器屋さんには行かなかった。 目の毒というわけでもないけれど。
それでも、神田へ向かって歩いていると、楽器屋があり、ふとウィンドウの中に目をやると、「Rhodes」という大きな文字が見えた。
曲線が特徴の赤いキーボード、新型のローズ・ピアノらしい。 知らなかった。
Kanda Station
「?」、最近のはこんななんだ・・・。 見えた途端に、エレピの音が頭の中で鳴る。
何人もが説明に挑戦したかもしれないけれど、これが言葉で表現できない音なのだ。 スーツケースと呼ばれるタイプが好きだった。
ローズ社は70年代中期まではフェンダー社と合弁していた。 各音程のバーを実際にハンマーで叩いて、それを電磁式のピックアップで拾うというプリミティヴな、正真正銘の楽器を作っていた。
Kanda Station
家に帰って調べてみると、Rhodes Mark 7 というものらしい。
真ん中のえぐれた形が気になるのだ、原理的にあり得ないのでは、と心配になる。
電気ピアノのままなのだろうか。 電子ピアノになってしまったら、それもローズと呼んでよいのか。
思えば、サンプリング音との闘いに敗れ、姿を消していたともいえるエレクトリック・ピアノ。 あの「バー」を叩かないと意味を感じない、と言ったら、やはりこれが老人というものだろうか。 いや、それは弦を張ってないギターみたいなものだろう。
なんだか、ハーレーのバイクを思い出した。 自らの存在の意味を取り違えると生き延びられない。 日本製のバイクに攻め込まれたが、彼等はスタイルを守りきったのだと思う。 本当にあのバーを叩かないのなら、日本製で良いじゃないか。
確認するのが怖いような・・・、さて、どうなんだろう。
Shoheibashi Bridge
演奏前の集中はマイルズとのチャネリングのようでもある。
崇高で静謐。 ハービー・ハンコックの即興演奏
Wiki ローズ・ピアノについて
ローズピアノ社