水面に映った景色には独特の面白さがある。
波があると、その様子に大きく影響される。
これは、愛嬌のある写真に仕上がっていると思う。 なんだか心が和む。
昨日のスカイツリーの様子が、小社特派員から送られてきた(笑)
第一展望台
一昨日の「電線(デンセン)写真」という記事を書いて、思い出した言葉がある。
それは「電送(デンソウ)写真」。 電気信号に変換して画像を送るシステムで、ファクシミリというものなら覚えていらっしゃるだろう。
いきなり余談だが、この言葉、日本では「ファックス」と言われることが多かったように思う。 これは当地など、英語遣いのいる場所ではマズいんである。 使用禁止。
で、そのファクスよりもっと昔々から、画像を送る方法が研究されていた。
知っていることだけ言おう。 60年代前半のこと、そのシステムは報道の場では珍しいものではなかったのだが、自分でも使ったことがある。
それは新聞の記事に組み合わせる写真を、本社編集部へ送るという作業に使われる。
自分が経験したのは、某新聞社の支局から、隣県にある本社へ送ることだが、当時は中学生だったので、これは面白い経験だった。
電話回線を利用する。 その機械は暗室に設置してある。
個人的に勝手ながら、その支局の暗室をいつも使わせてもらっていた。
事件が発生すると人が出払ってしまう。 新聞には時間的制限がある。 天下無敵の「締め切り」という言葉が全員の「おでこ」に貼ってあるかのようだ。
あるときに大きな火災が発生した。 持ち帰られたフィルムは直ちに現像される。
記者は記事を書かなくてはならない。
そのような場合、わたしが暗室作業を手伝うこともある。
さて、この写真を送らなくてはならない。 その仕掛けを言葉で説明するのは難しい。
探したけれど、適当な資料を見つけられなかった。(エジソンの「メリーさんの羊」で有名な、シリンダ型の録再機に似ている)
その写真をドラム(シリンダ)に巻き付ける。
そのドラムが定速で回転する。 そこに細い光を当てる、その照射器はドラムの回転中心軸に平行な軸にセットされている。 写真を螺旋状にくまなく光が当たるように、その直線上を、これも定速で移動する。 ドラムに糸を隙間無く巻き付ける感じ。
照射器の隣には受光部があり、写真から反射した光を受ける、その強弱を電気信号に換える。 ドラムに巻かれた写真を螺旋状にスキャンして、1本の「信号の糸」を作って電話回線で流す。
本社にも同じ機械が準備されている。 それは暗室に置かれ、露光していない印画紙がドラムに巻かれ待っている。 送られた電気信号を、今度は逆に光の強さにもどして、同じ要領で細い光が印画紙を焼いてゆく。
その糸を今度はドラムに巻き付けてゆく作業と言える。
凄いでしょ? アナログの精密機械。
そんな経験があると、今回「スカイツリー担当」から「電送」された写真は、いとも簡単に送られ、しかも美しい。
この有り難さ、過去の不便を知るだけに、デッカい歓びを与えてくれる。
そしてこのタワーからは動画が送られて来る、しかも、空気の中を通って。
週末の軽い話題ということで、長文失礼。