この話は、少し遡りたい。 あるとき、何年か前、出掛けるときに黒い靴が良いと思われ、それを履いて出掛けた。 ところが、なんだか変な気がする。 足が、靴がおかしいようだ。 靴底が頼りない。 振り返ると、道に足跡が付いている。 歩いた後を示すように黒くなっている。 まったく意味不明。
靴の底を見て驚いた、タイトルからお分かりのように「崩れている」のだ。
脆化した靴底が残した足跡!
これは、化学的な変化を中心にした延性の低下、Embrittlement/エンブリットルメント。
この靴は、皮肉なことに有名なタイヤメーカーの製品だったと思う。 確か、靴底が「ウリ」だったのに(笑) このような変化をもたらす樹脂の怖さは、金属疲労と並んで注意が必要なことではあるけれど・・・。
さて、時は流れて、家人の靴の話。 今週末の結婚式で履く靴を選んでいたという。 ところが、予定した三足のハイヒール、全てで、ヒールの先、床に接する部分の樹脂がボロボロになっていた。 こういう経験をお持ちだろうか。 手で触って崩れる、後にはそれを固定した鋲が残っている。 買ってから30数年しか経ってないのに。
メーカーまで戻す時間が無い。 でも、まともなものだから修理できる筈。
そういえば街中に靴の修理屋さんというものがあるので、見せてみた。 最低料金が1,260円とか言われた。 安い方か高いか分からないが、自分でやればもっと安そう。 具体的な方法は個々に違うと思われるので、詳しく書かないけれど、小さな底材を買って貼付けた。 これは靴周辺の多様な商品でお馴染みのメーカーの製品。 この樹脂を使うべきヒールの形に加工するのが大変だった。 摺れて減らなくて、堅くて柔らかい、見事にそんな材料だった。
実は、友人からも靴の底が崩れた経験があると聞いた。 ある時期の化学材料の事故なのか、箱に入れて仕舞ってはいけないのか、ときどきは履かなくてはいけないのか、何がなんだか分からないけれど、そういうことが実際に起こった。
ここで言うべきことは、それほどない。 履くことを予定している靴が目の前にあっても、履いてみなくちゃ分からない、ということぐらい。 しかし、これじゃ困るんだよな。
女性の靴のサイズは、23.5cmはアメリカでは「6 1/2」、イギリスでは「4 1/2」、フランスでは「36」?
で、イタリアでは「37」?
思惑が外れたってバレバレだけど、フェリーニの「8 1/2」。
そういえば「ナイン・ハーフ」というのもあったっけ、キム・ベイジンガー?