FIFAの大会も終わりが近づいてきた。 この「FIFA」は略語だが、元の言葉は探しにくい。 それはフランス語だからかだろう。 ひとつの「F」はフェデレーション、もうひとつの「F」はフットボールと想像できるのだが・・・。
Fédération Internationale de Football Association
日本はこの大会の決勝トーナメントで「パラグアイ」に敗れて開催国「サウス・アフリカ」を去った。 言うまでもなく、パラグアイは「サウス・アメリカ」の国。
小さな国と言えるだろう。
この国の音楽を詳しくは知らないけれど、ひとりの興味深い音楽家がいた。
偉大なるパラグアイ人。「アグスティン・バリオス」。
Agustín Barrios (1885~1944)、ギター音楽が好きな人間にはその名を知られている。
彼については、ちょっと皮肉な話がある。 彼はときの王様に好ましく思われず、歴史から葬られそうになった。
「とんでもない話」であるけれど、これは人の歴史には珍しくないことだ。 もしかすると、世の中の半分は「とんでもない話」かもしれない。
しかし、彼に光を当てたのは、その王が次の王に指名した後継者、つまり、現在の王だった。(ここで言う「王」とはギター音楽界の王様という意味である。 残念だが。)
彼が嫌われた理由は、歴史に詳しく書かれていない。 強いて言えば、先代の王は貴族的な音を好んだと言える。 対して、バリオスの音楽は高貴な印象とは違う魅力がある。
この、永い永い歴史を持ち、地球を何週もして受け継がれて変遷を繰り返した「ギターという楽器」、そのどちらの魅力も持ち合わせて良いのではないだろうか。
現在の王はバリオスを絶賛し、彼の作品集を録音した。 我が家の愛聴盤としても棚に置かれている。
以前にも紹介したと思う。 パラグアイ繋がりの話題として、よい機会なので。
ベルタ・ロハスの演奏で、彼の代表作のひとつ「大聖堂」より。