「マグナム・フォト」のメンバーでもある「アンリ・カルティエ・ブレッソン」に「決定的瞬間」という写真集がある。 最も有名な写真集のひとつだと思う。 フォトグラフは短い時間を記録することが多い。 永くても2時間か3時間くらいで、それ以上は特別な状態と言える。 普通は、どのくらいだろう。 1000分の1秒から100分の1秒くらい?
「瞬間」という言葉がある。 この瞬間の「瞬」は「またたき」、だから目を瞬いている時間を表すのだろうか。 文字通りなら30分の1秒から10分の1秒くらい? とはいえ、これは比喩のはず、ごく短い時間ということ。
「その瞬間」に重要な意味がある写真、それは「そのタイミング」に大きく影響される。 つまり撮る側の技術よりもその場その瞬間に居合わせた幸運がもたらす贈り物のようでもある。
それは確かなのだが、実感としては「それは違う」ような気がする。 子供の頃(機械式カメラだが)、レンズとフィルムの組み合わせによるけれど、シャッター速度は100分の1秒、絞りは「8」くらいに合わせて置いておく。
なにか起こったときに素早く対応しようという幼い考えだった。 それは例えば空に見慣れぬ飛行体が現れた場合に備える、などということだった。
「決定的瞬間」なんてものに出くわしたことはない。 ちょっと面白そうな状景に出会うとか、写真の場合は良い光線を得るということはある。 良い写真家は「撮るべき素晴らしい状景」を引き寄せる「力」があるという。 引き寄せる「運」と言っても良いだろう。
とにかく、技術の集積と弛まぬ努力が、素晴らしい成果を獲得させるようだ。 決定的瞬間も面白いが、演出や騙しが多すぎては価値を失う。
わたしたちに出来ることは、
広い心と視野でカメラを傍に置いておく、くらいしかないのだが。
「アミちゃん、何してるの? 何が見えるの?」
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