たまには本で調べよう。
きのうのコメントで出た聞き慣れない言葉「当帰/とうき」。 頭から離れなかったが、ベッドの中で思いがけない言葉が、ふっと浮かんだ。 30年くらい前だろうか、友人が「漢方薬」の販促の仕事をしていた。 「トウキ・・・なんとか散」、薬の名前なのだ。 この「トウキ」、これかもしれない、そう思いながら寝てしまった。 普通は、朝起きたときには忘れているのだが、今回は覚えていた。
つまり、「西洋当帰」という言葉があるということは、「西洋」でないものがあるからだ。 中国産か、そう考えてたどり着いた。 その薬は「当帰芍薬散/トウキシャクヤクサン」、女性の薬のようだ。 ちょっと納得、外堀が埋まってゆく。
その「トウキ」の正体、「アンジェリカ」。 本来、この植物の茎を砂糖漬けにしたものが、お菓子の飾りに使われるものだそうだ。 「ネズ」に似た香りがあるらしい。 急に親しみが湧く。 「ネズ」は「ジュニパー」だ。 小学校の4年生くらいから大好きな「ジン」の香りなのだ。 子供だから酒を飲むわけではない。 でも、学校の帰りに寄り道して、バーなどの裏口に置かれたジンの空瓶の蓋を開け、においを嗅いでいたのを思い出す。 わたしにとっては「失われたとき」を呼び起こすマドレーヌ?
本物の「アンジェリカの砂糖漬け」を食べたことはない。 やはり、日本では形状の似た「フキ」の甘露煮みたいなものを着色して代用していたとのこと。 今はどうなのだろう。 菓子に詳しくないし、この件は考えたこともなかった。
砂糖漬けの作り方、何と細かい指示だろう。 ここがフランス料理の面白いところ、とも言えそう。
フキノトウから、とんでもないところへ来てしまった。 このアンジェリカに含まれる「エグザルトリド」という成分について Wiki に興味深い記述があった。 この成分、女性にしか分からないという、そんな馬鹿な、と思うが、漢方薬としても女性の薬という。 これって、なんなんだろう? 不思議な話だ。