干し柿の変化は速い。 考えてみれば屋外に干しっぱなしなわけで、24時間乾き
続けている。 湿度の高い日もあるが、乾燥は続く。
アジア各地へ出掛ける友人がいる。 聞けば、ヴェトナムにも干し柿はあるらしい。
朝鮮半島(韓国産)の干し柿は見たことがある。 これらの国と日本に共通する
ことのひとつ、それは「漢字」を使っていたこと。
日本だけが取り残されているというのだろうか、未だに漢字を使い続けている。
日本海側の地域を「表日本」として、文明の最先端をゆく超大国「中国」を手本に
日本は歩み続けた。 それほど、中国の影響は強かった。
漢字の伝播した地域と、干し柿を作る地域が重なるなら、これは中国発祥の食べ物
ということになるかもしれない。
我が家では、ドライフルーツは人気の食べ物なので、ひと種類くらい自分で作って
みたくなる。 日毎に小さく軽くなる柿を観察するのは楽しい。
透明になる様は宝石を作っているような気にさせてくれる。
干されているうちに、渋味の元であるタンニンが消えるのではなく、溶け出さなく
なり、舌に対してマスクされた状態になるということだ。
誰が見つけたのだろう、不思議なことである。
しかも、それが「北風と太陽」のおかげというところが面白いではないか。