懐かしい映画の話をしよう。 50年代のミュージカル映画「くたばれ!ヤンキース」。 ブロードウェイの舞台を映画化したもので、振り付けはボブ・フォッシー。 野球が大好きな中年男が主人公だが、好きといっても自らプレイするわけではない。 贔屓のプロ野球チームがあるのだ。 それを熱狂的に応援している。
実は、きのうの話から繋がっているのだが、
このブロードウェイミュージカル、脚本の下敷きは「ゲーテ」かもしれない。
ロバート・ジョンソンの話をしたかどうか、もう忘れたが、伝説では、彼も悪魔に魂を
売って、ギターの腕前を手に入れたことになっている。
彼は四つ辻(交差点/クロスロード)で悪魔に出会う。
人生にはこんな瞬間がある。 「悪魔に魂を売ってでも成し遂げたい」、と思うとき。
つまり、ゲーテの「ファウスト」にある通りだ。
この中年男は贔屓チームを勝たせるために、自らが若いホームランバッターになって、
打ちまくって勝てるなら、悪魔に魂を売ってもいい、そう呟いてしまう。
そして、その言葉を悪魔は聞いていた・・・・・。
あらすじは詳しく書かないが、いちおう、主人公は幸せな結末を迎えることが出来る。
贔屓チームも優勝するし、悪魔も退散する。 この話での敵役は強い強いヤンキース。
反感を買うほど強かったというわけだ。 今年もワールドチャンピオンである。
しかし、その立役者はチームを追い出された。
キャッシュマン(興味深い名前だ)というジェネラル・マネジャーの方針だそうだ。
思うことはあるが、「くたばれ」なんて口に出して言わずに、その話は置いておこう。
彼を見ていたわたしたちの目は、ヤンキースからエンジェルスへ移ることになる。
ロスは日本人には馴染みの街だ、シゲトシ・ハセガワ以来のアナハイムである。
大いに注目して、お金は西海岸に落とそう。 こうやってアメリカ本土のいろいろな
都市や、その土地の文化を勉強させてもらうことになる。