歳を取っても食べたことのないものは沢山ある。
これは「富澤商店」の商品。
この店は我が家にとっては大事な食材屋さん。
なにやら、有り難いような、お呪い(まじない)をしたかのような
神々しい威厳のある名前の「豆」を買ってみた。
それは「スピリット・ピース」。
これは、考えさせられる名前だ「精神の平和?」「平和の精神?」
(いや、冗談が過ぎてはいけない。ここでのピースは、平和ではなく、
ピーの複数形、つまり豆の複数形であることは理解できる。)
最初に考えたのは、宗教上のお祓いがしてあるのか、ということ。
でも、肉じゃないしな。でもタブーって不思議なものだし。
暫し、時は流れた。
人間は、(そこまで大きく言わなくて良いか)、新しい事柄や、概念や、
言葉に出くわしたとき、既知の情報に結びつけて捉えやすい。
これは普通のことで、誰にでも言える。
そして、ときどき失敗をする。
わたしたちは想像した。
これは単純に言葉を間違えているだけなのだ。
もちろん、客に対しては迷惑な話だが。
この名前を付けた人が、野球好きで、SFFという魔球を知って
いれば、間違いを防げたかもしれない、と我が家では話し合われた。
豆の袋に貼ってあるラベルを読むと、「2つに割った豆」、
と書いてある。
これで解決である。「スプリット」と書けば良かったのだ、
「SPLIT PEAS」 つまり、「割り豆」とでも言おうか。
以前にも書いた、わたしは輪切りが嫌い。縦割り好き。
だからというわけではないが、この大きさと感触がとても気に入った。
以降、我が家ではいろいろな料理に使われ、個人的に大満足。
この歳での新しい出会いに、感謝したいと思っている。
富澤商店は日本の食文化ブースターのひとつだ。
これっくらいの英語のセンスは欲しい。
自分が意味を納得してない言葉を、商売で使ってはいけないだろう。
そしてこれは、わたしたちも大いに自戒すべきこと。
Musik
パブロ・カザルスの言葉。
カタルニアの鳥は「ピース、ピース」と鳴きます。
チェロの神様、カザルスの演奏で「鳥の歌」