歳を重ねると「浦島太郎度」が上昇する。
現在の車を買うときに、ナンバープレートの番号が選べるようになっていた。
その話を聞いた途端、一瞬の迷いも無かった。「1004」しかない。
偶然、わたしが生まれた年にヴォルフガング・シュミーダーという研究家が
「ヨハン・ゼバスティアン・バッハ」(最近は、こう書くのでヨロシク。
でも、時代で変わるよ)の作品目録を発表した。
以後それに依り、バッハの作品をBach-Werke-Verzeichnisの頭文字を取り、
BWV何番、と呼ぶ。モーツァルトの作品に付けられたケッヘル番号と違い、
作曲順ではなく、曲のジャンルによって仕分けされている。
1000番台の最初は室内楽、ここにお気に入りの超有名曲がある。
無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番の5、これが「シャコンヌ」。
Partitaは、ここではひとつのテーマ性を持った組曲、くらいの意味。
(くらい、というのは時代により言葉の意味が変わるから。面倒なんですよ)
シャコンヌはchaconneと書けばフランス語、その起源はスペイン辺りで
4分の3拍子の明るい調子の舞曲だった。つまり、ラテン系音楽。
ところが、
BWV 1004-5は、抑制が支配しているが、暗く悲しい曲に聞こえるだろう。
ストイックで崇高な気品に満ちている。
この形式の発生時とまるで違うものに変容しているのだ。
「アミ子さん、アミ子さん、エンジン掛けたら移動お願いしますよ」
実は、我が家ではアミの方が古参となる。
なので、このバイエルンから来たオチビちゃんを自分の子分だと思っている。
Musik
曲はバッハのシャコンヌ、でお願いします。
ヘンリク・シェリングの弾く名器グァルネリでどうぞ。