目の前の沖に大島を見つつ、
赤く熟れたソテツの実を手に取れば、思い出す唄がある。
特別な事情が無ければ、殆どの日本人は昭和の中葉にヒットした流行歌を思い出すだろう。
「田端義夫」が歌う「島育ち」。 前の五輪の少し前だったか。
でも、あれは奄美大島のことで、ここから見えるのは伊豆大島。
北緯30度線以南の南西諸島は、戦後、アメリカの統治を受けていた。
この歌は、ジャンルからすれば「新民謡」であり、戦前に発表されたものだったという。
それを、ある意味でギター界のレジェンドである田端が耳にして、自らがレコーディングした。
彼の高く水平に構えたナショナル製のエレキギターはとても印象的だった。
わたし自身が好んで聞く音楽ではなかったけれど。
最後の写真の赤い丸は、落ちた実。 たくさん落ちていた。
これにて、新春海岸散歩の巻、オシマイ。