濃い虹

 

 

夕焼けが見えた日、窓の外に茜が降り注がれていた。
家から出てみると近所の鉄塔に夕日が当たって、その向こうに虹が。
少し雨が降っている、夕焼けは見えるけれど夕日は見えない。

暫しの後、茜は東の空にも廻り込んできた。　鉄塔は影の世界へ。
虹はそのままの形を保ち、色がどんどん濃くなってゆく。
色の濃い虹は限界的に大きい水滴が必要だったかな・・・。
今回の場合、背景との対比もあるだろう。
ともあれ、これほど色の濃い虹は見たことがない。
やがて、茜は藍に飲み込まれ、虹の色も形も失われていった。