ネコの手も借りたい、という言い方がある。
もちろん、ネコは手助けなんてしてくれない。
だから、有り得ないことという前提で、例えに用いられている。
この場合の「手」は、具体的に限定した「手」のことではない。
しかも、「ネコの手」とは前足のことなのでもないだろう。
「ネコの手を借りる」、それは人の役に立ってくれるという意味だと思う。 何らかの意味で。
どういう状況でも、独り、我関せずと勝手気ままにしている姿は、バタバタする人間に冷静さを取り戻す切っ掛けも与えるのではないだろうか。 それを、役に立つと言うか言わないかは、知らないけれど。
しかし、ネコと人間が永く一緒に暮らしてきたのは、人の役に立っているから。
明日の命を守る存在だった。
食料の保存は命に関わる。 そう、簡単に言えば、ネズミを獲って食料を守るのが彼等の仕事。
とは言え、家で飼われるネコは、ネズミを見たことがないかもしれない。
ということは、現代では違う役目を獲得して、人間と一緒に生活している、ということになる。