グレコちゃんとの別れのときが近づいている。
このクルマの前はボルボの「850エステート」だった。
バブル崩壊直後の購入だと思う。
ボルボの初めての前輪駆動車ということで、完璧とは言えなかったけれど、楽しい時間を過ごした。
自分達が若かったということもあるだろうけれど、いろいろなところへ出掛けた。
福岡県の太宰府天満宮から、岩手県の遠野、佐渡島にも行ったっけ。
そのボルボは、何色とも言えない色で、言葉にすれば赤煉瓦のメタリックみたいな(笑)
黒いラバー部品との対比で、柿右衛門を思わせるところもあった。
家人は隣町のスケートリンクでレッスンを受けていた。
ところがそのリンクが閉鎖になり、担当の先生が横浜のリンクへ移動した。
しばらく、ボルボで通っていたけれど、もっと小型できびきびしたクルマが望まれるようになった。
往復で5時間を費やすのだから。
10年を越すと維持にお金が掛かって来る。
買い替えたいクルマも無く、試乗を続けるけれど、悩みの時期が続いた。
そんなとき、ふとした偶然で、八王子の「ムラウチ」(BMW正規ディーラー)へ行った。
担当となった人が言う。
こんな面白い色のクルマに乗る人にピッタリのクルマが新しい中古車で入って来る。
是非見て欲しい・・・。
試乗の必要はない、だって、BMWが走らないわけがないだろう。
シートが良ければそれで納得。 ペダルの位置も大丈夫。
かくして、グレコちゃんが我が家にやって来た。
BWV(バッハ作品番号) 1004番 を洒落て、このBMWのナンバーは、1004とした。
家人は、横浜から運転して帰ってきて、「疲れた」とは言わず、逆に「癒される」と。
気持ちよく走るって、そういうことなのか、と思った。
たぶん来月には、新しい車がやって来る。
世の中には、乗ったクルマを全部、傍に置いてる人もいるんだろうなぁ。
ほんとに羨ましく思う。