日暮れた後も、地表の高い所には夕日が当たっている。
麓は日影で暗くても、山の峰が赤く染まるのを見るように。
飛行機は山より高く飛ぶ。
だから、赤い航跡を見ることもある。
日没から暫し、暗くなりかけて、西空に赤さが残るとき。
北の空に飛行機を見つけて撮り続けた。
背景の色が変わるのは、夕焼けの残る西へ飛んでいるから。
時間の経過はそれほ永くはない。 ジェット機を追い掛けている一瞬のこと。
角度が合えば、飛行機に当たる夕日が反射して、機体が燃えるように輝く。
やがて、西のかなたに消えていった。
十数秒のことだけれど、時間の経過と空間の移動が写し取れる。
これって、写真の仕事でしょ。