散歩の途中で目に留まる。
そこは坂になっていて、片側は危ないと言うほどでもない崖。
でも、落ちると面倒。
40年くらい前の夜、そこに乗用車が落ちるという事件があった。
ヘッドライトが点いたままになっていて、薮の中に強烈な光が見えた。
通り掛かった全員がこれはもう、てっきりUFO墜落だと思ったよ。
そんな光が存在し得ないところから、二条の鋭い光がこちらを照らしたのだから。
それから時は流れ、道も舗装が行き届き、ガードレールが取り付けられた。
ガードレールの色は各地域で違うらしいけれど、ここでは白。
それを支える支柱の根っこの周りに「苔」を見つけた。
そして、UFO事件が思い出された。
このガードレールは苔むす現在まで、UFO事件の再発を防止しているのだった。