「カンブリア爆発」という言葉がある。 現在に繋がる生命の爆発的進化。
その中でも象徴的な出来事のひとつが「眼」の進歩ではないだろうか。
ヒトも紫外線が見えていたらしい。 しつこいけれど(笑)、現在はRGBの赤緑青。
その波長を担当する光センサータンパク質「オプシン」しか持っていない。
つまり、3色型ということになる。
その波長は、Rが560ナノメートル付近、Gが530ナノメートル付近、Bが420ナノメートル付近。 これらがヒトが見える波長、つまり可視光線。
それらの波長の光線を網膜が感じると、担当のオプシンが脳へ電気信号を送る。
(ヒトは電気で動いているのだ)
写真システムはそれらの波長に対応していると、ヒトが見たように写すことができる。
ところがヒトに合わせても自然現象の範囲はそれを越える。
虫や鳥が花を見るときには紫外線を含んで感知しているという。 随分見え方が違うのだろうと想像するしかない。
さて、天体を観察するときに、ここは外したくないという波長がある。
それは水素原子が発する輝線で「Ha線」、波長でいえば「656.3ナノメートル」。
上に示した数字を思い出して頂くと、赤より長いので、赤外線の範囲に入る色。
金環日蝕が近い。 準備を重ねていらっしゃる方も多いだろう。
太陽こそは、この波長が重要に思える。 ところがデジタルカメラは、この領域の赤外線を通さないように作ってある。 その意味では、銀塩の出番ともいえる。
しかし、デジカメでたくさんの人に楽しんでもらいたい。
面白いニュースを見かけた。
キヤノンの「EOS 60Da」、最後に付けられた「a」が気になる(笑)
これは60Dの改造版で、赤外カットフィルターが異なるようだ。
赤外領域に反応するカメラ、つまり「天体撮影用カメラ」といえる。
たぶん、このカメラなら、蝕の状態でのプロミネンスなどが鮮やかに写ると思う。
ここで思い出したことがある。 今年の6月6日の「金星の日面通過」のこと。
こちらでも出番が約束されたカメラではないだろうか。 日蝕よりも遥かに珍しい現象だと思う、直近は2004年だったけれど、次に見られるのは105年後・・・。
EOS 60Da
ところで、このフィルター、切り替えられるようには作れないの?