人はときに、素晴らしい景色に出会うことがある。
自分以外の時間が止まってしまったような気がする、急に静寂が訪れ、この世で自分だけが動いているような気分。
遥か彼方から「撮リなさい」と言う声が静かに聞こえて来る。
写真を撮るのはそんなとき、シャッターボタンを押すのはそんな瞬間。
なんと心惹かれる被写体だろう。
近くの小学校、掃き集められたイチョウの葉。 ゴミとして積んであったもの。
袋に閉じ込められ、中は湿度が上がり結露している。 袋が熱い。
本来は自分を育てた木の下に落ちて、分解され、母なる木に還るつもりだった。
透明の袋に詰め込まれた黄色の葉、これは「生け花」というものではないだろうか。
生け花というモダンアート。