果実はできる、種子もできるけれど、その種から芽が出ないという「一代雑種」。
全国にどのくらいの本数があるだろうか、自分で増えてゆけないということだから、全ては接ぎ木や挿し木で増やされたもの。
言葉を変えれば、ソメイヨシノはクローン植物ということになる。
つまり、差が無いのだ。 世界中の全てのソメイヨシノは同じもの。
日本人に愛される資質を持ち、それ故か人の手を借りずには自らの命を繋げない。
あまりに人に近く、手を取り合った関係となった日本人とソメイヨシノ。
春になると、日本ではこの開花を待ちわび、開花を追う桜全線に注目する。
これは考え方を変えてみると、全てが同じ花ということは、同じ性能のセンサーを全国に配置しているということにならないだろうか。
ソメイヨシノというバイオセンサーを使って、わたしたちは日本列島の気象状況をモニタリングしている。