33 Chilean Miners
「チリ」といえば、1960年の大地震を思い出す。 それを原因とした津波は太平洋を隔てた日本も襲った。 記録を調べると142名の日本人が亡くなっている。
地球の反対側から津波が来るなんて。 小学生だったので、とてもではないが、実感できる話ではなかった。
「チリ」のワインを飲むことがある。 その特徴をひと言で表せるほど詳しくないけれど、世界の各地でワインが作られ、流通する時代になったことは分かる。 これを機会に認知度も上がることだろう。
そして今回の事故と脱出劇で「チリ」という言葉が何度も何度も聞かれた。 彼等の言葉では「チレ」と言っているようだ。
成功した話は、沢山の英雄で彩られる。 腕利き「ドリラー」も驚異の腕前だし、怖れを知らないレスキュー隊員、地下での団結、世界中からの支援、全てが素晴らしいものだった。
引き上げられるトレス・コロレスの脱出用カプセルが地上に顔を出すときの「感動」。
でも、否応もなく、彼等の第一の人生は終わり、第二の人生が始まってしまった。
聖ヨセフの名を冠した地名が沢山あることが分かった。 その街へ行く道を教えてくれ、という歌があったけれど、あれはサンフランシスコ州。 人生で大事なのは成功することより、自分らしくあることだと歌っていた。 このマイナーたちが自分を見失わないことを願う。 心の闇に閉じ込められないように。
今回の事故から、いろいろ学ぶこともあっただろう、ひとつだけ言ってみたい。
脱出用のカプセルは細い。 もし、そこに自分が入れないとしたら・・・。
条件が整えば、「痩せられるのだな」、と思わされた。
33人の男たちが言う、「君は痩せられるのだ」と。
毎日少しずつの努力、そう、チリも積もれば・・・、なのである。
chi chi chi le le le viva chile!