もし、気温の幅が「30℃」ほど上下にずれたなら、この地表で生きてゆくのは難しい。
最高気温が60℃、最低が30℃。 もしくは最高気温が0℃、最低気温がマイナス30℃。
どちらも辛い。 それに上下の差が30℃という保証なんてなにもない。
当地は、冬のマイナス5℃から、夏の35℃くらい。 40℃の上下差もキツい。
現在では世界中の殆どの人たちが、最高気温30℃、最低気温0℃に準ずる環境に住んでいるのではないだろうか。
下はマイナス273℃から上は数万℃までの温度が考えられるとして、なんと微妙な温度が地球上に与えられていることか、この奇跡を感謝しない人はいないだろう。
昔、体温計には水銀が入っていた。
それから着色されたアルコールなどに切り替わっていった。
これらの体温計の目盛りは、最高が42℃だったと思う。 子供のときにこれが疑問だった。 それよりも熱が出ることはないのか。
現在のように気温が40℃に迫れば、余計に体温計の42℃が気に掛かっただろう。
医者に聞いたら、タンパク質は温度が上がると固まる、と言った。 確かに肉を焼くときの感触は分かる。 風呂に漬けておいても固まってくるというのだ。
風呂の温度は42℃?
子供心で考えた、体温が42度を超えると計測する意味がないと言うなら、そこから硬化が始まっている、つまり、それは「人は生きていない」ということだと思った。
実際は、それほど単純なことではないだろうが。
しかし、最高気温42℃は、この国ではもはやターゲットに入っている。 この夏が異常だったのか、これが異常気象の始まりなのかは、まだ分からない。
いつ、分かるんだろう・・・。
Heino Kaski : Night by the Sea