電線は電気を通す導体部分と、それを周りから囲んで、他と接触させないようにする絶縁被覆で出来ていることが多い。 ご存知のようにクネクネと曲がる柔らかいもの。 それはある意味で「弱いもの」である証拠。
それらを格納して、接続されるべき部品の近くからダクトのスリットを通して電線を引き出す。 このやり方が設備の配線においては主流のようだ。
ダクト内を通すとオマケとして、電線を束ねなくて良い、これは熱を逃がすことと、電線を締め付けないこと、配線上の電線の長さに神経を使わないで済む、という有り難い状況をつくり出してくれる。
ここで言いたいのは、プロが専門の道具や部材を使うのは当たり前。 逆に極論すれば、それらが無いと仕事の能力が大きく落ちるのがプロかもしれない。 そこにあるもので解決するのが「器用仕事」というものだ。
しかし、現在ではプロとアマの境界は曖昧になっている。 プロの使うものが簡単に手に入る、だから、それを取り込むのも選択肢のひとつでは? パソコンの前に座って、買い物すれば即日発送、明日の午後には手に届く、そんな時代なのだから。
それらをまったく無視することはないと思う。 「肥後の守/ひごのかみ(日本の有名なフォールディング・ナイフ)」で全ての切断に挑戦しなくても良いだろう。
ということで、このダクト、実はシロウトに充分役立つものではないかと思う。 1枚目の写真は玄関ドアの上などにこのダクトが設えてあるところ。 庭でも電気を使いたいことは沢山ある。 つまり、(将来は分からないが)電線の引き回しが発生する。
屋内でも同様、ご参考として家人のデスクの前、窓枠に沿って取り付けてあり、テレビのアンテナ線や、青く見えているのはイーサーネットケーブル。 こんなものでも露出していると、始末に悩むのではないだろうか。
製品名としては、(他社に同様の製品もあるが)これは星和電機の「カッチングダクト」というもの。 たぶん、任意に「カットできる」という意味だろう。 ひとつ付け加えるなら、これをカットするには専用のハサミがあって、これで切ると大変早くて、しかも綺麗な仕上がりになる。 個人的に、お金があるなら、家中にこのダクトを張り巡らしておきたいくらい。 壁の中を電線が通るのは、なんだか気持ちが悪いから。