太陽が高い。 真昼には頭のてっぺんから光と熱が注がれる。 傾いても北へ大きく回り込み沈まない。 強い光は永い時間に及んで照りつける。
この先に梅雨があるなんて! 晴れたときの日差しは、それを忘れさせる。
強い光は濃い影を作る。 歳を取ると、柔らかい光に薄い影が欲しくなってくる。
伝えておきたいのは、「強い光を楽しめるのは若いうちだけ」かもしれないということ。
明順応も暗順応も鈍くなる。 見えない時間帯があることを知らされる。 でも、求めるべき薄い日差しも、悪くないものだ。
きのうのラヴェル、ト長調のコンチェルトだが、ハービー・ハンコックの「ガーシュウィンの世界」というアルバムにも入っている。 曲の前後関係を含めて、断然のお気に入り。
なぜ、ガーシュウィンにラヴェルか、いささかの経緯があるからだ。 その話の真偽は確かめられないけれど、現実にパリのアメリカ人となったガーシュウィンが、ラヴェルに作曲技法を学ぼうとしたことがあるらしい。 充分に自らの音世界を構築しているガーシュウィンの求めを、ラヴェルは丁寧に断ったという。
伝わる逸話として、
「あなたは既に一流のガーシュウィンである、二流のラヴェルになる必要はない」と。
この「リヴァー」というアルバムはハービー・ハンコックが(わたしの敬愛する音楽家でもある)「ジョニ・ミッチェル」に捧げたもの。 アメイジングな演奏で満たされている。
「光と影の音楽」instrumental