この写真のアシナガは大きい。 今まで見た中で最大級、種類が違うのか、女王のように堂々としていて怖い。 聞いた話では、最初に斥候が出て、営巣可能な場所を探すのだそうだ。 (「斥候/セッコウ」と言っても意味が不明かと思って調べたら「scout/スカウト」というのがあった) ロケハン中の斥候部隊を撃退するのが、闘いを小さくする方法と考えられる。 とは言っても、これは単純な地域エゴ、「ほかの場所に行ってくれ」というだけのことに過ぎない。
夫婦の間で大型アシナガの目撃情報が交換され、警戒警報が出された。 スクランブルに備えてシャワーの用意。 日が傾きかけた頃、とうとう捕獲したという情報が奥様から。 どこで捕まえたのか尋ねた。 庭に出て彼女が指差したところを一緒に見たその瞬間、同じ姿がそこに現れた。 この瞬間はホラー映画のようだった。 もう一匹いたのだ。 だが、こちらは準備が出来ている。
この後、またしても映画のシーンを思い出させる不思議な光景が。 この二匹は互いに、にじり寄り、手を差し伸べ合って、最後には手を繋いだように見えた。 そんなことがあるのだろうか。 この星の嫌われ者かもしれない人間の、理不尽な暴力を恨んでいるかのようだ。
その犠牲になった主人公の恋人たちを思わせる様子に怖くなって、この二匹を瓶に詰めて堅く蓋をした。 翌朝になって覗いてみたが、もう動いていなかった。
ところで、これってアシナガバチに間違いない?