師走の入りとは思えない、穏やかな天気。 月齢14.3、優しい「月の出」だった。
さて、12月01日、いま乗っている小さな車の納車日である。 車名は「120i」。
もちろん、名前に合わせて納車日を決めた。
新車で買ったのではないが、我が家にとっては「車の誕生日」みたいなものだ。
新しい家族を迎えた「記念日」には違いない。
偶然、きょうは納車式の日と同じジャケットを着ていて、その事を家人に指摘された。
機械を擬人化して付き合うのは子供じみているとも言えるが、塗装色が濃い灰色なので、
「グレコ」と呼んでいる。 これは言葉の不適切な使い方だろう。
本来、グレコはギリシャに関わる言葉として使われるべきかもしれない。
来春、この車の2度目の車検だが、調子は悪くない。 というか衰えていない。
さすがに、「ミシリとも言わない」はちょっとウソになるが、艤装のプラスティック部が
甘くなっているくらいだ。 (エントリーモデルなので、高級な仕上げにはほど遠い)
購入時には、その堅固な車体が固いバネで懸架されている感触が面白かった。
新しいタイヤのせいなどで、少し柔らかみも出てきた。 それでも乗り味は固い。
昔は5年も経つとヤレが出て買い替えの誘惑があったが、気にせずに乗っていられる。
それは、近年の自動車の進歩というものだろうか。
この先、自動車がどこへ向かってゆくのか分からない。
次に買う車は電気自動車なのか、時代の変化によるが、洗練されたレシプロエンジンを、
20世紀の名残りの煌めきとして、楽しんでおきたい。
この車に乗ることは「乗馬」を楽しむ、みたいなことだと思う。
この子は決して荒馬ではないが、従順でもない。
「私は私、やりたいようにやるわ」と言っているようだ。