例年、年内はそれほど寒くないので、先日の寒波には驚いた。
凍ると分かっていれば「凍み大根」の実験が良いだろう。 凍み大根は、字の通りなら
凍った大根となるが、冷凍大根というわけではない。
零度以下の寒風にさらして、冷凍と乾燥を繰り返すという、ちょっと残酷な調理法。
基本的には、寒い地方の「大根の保存法」だと思う。
今では、重要さを実感できないと思うが、「食物の保存」に人類は注力してきた。
食べ物を手に入れることと、それを保存することは、どちらも同じように大事なことだ。
作り方は大きく分けると2種類らしい。 加熱(ほとんどは茹でることをいう)してから
干すというもの。 または、加熱しないで干すもの。 これが大きな違いと考えられる。
それから、切り方も条件になりそうだ。
そのまま葉を落としただけだったり、輪切りだったり、その他、自由にできると思える。
なぜ、凍らせるのか、これは難しい問題かもしれない。 他に選びようがない環境なら、
必然として凍らせながら干すことしかできない。
しかし、それは自然な行為であり、受け入れざるをえない。
経験則だが、自然に対して逆らわなければ、なんとなく上手くいくものなのだ。
夕方、輪切りにして並べる。 新鮮、パリンパリンである。 元気いっぱい。
煮干しではなく、生干し。 今回は全部で10ピース。
翌日の朝、予定通り完全に凍った。 アイスホッキーのパックを思わせる。
(しかし理屈は逆だ、この場合、パックの方が凍って滑るのだから)
昼間は、いつもの「梅干し用のザル」で干した。 解凍されて、乾く。
二日目も凍った。 乾燥が進んでいるのが分かる。
三日目、縮んできている。
右列の中央に置いてあったものを、ひとつ試食へ。
五日経った。
三日目の写真で右奥の大根。 偶然だが、タマネギに見える。
今回はこの辺で止めてみた。 凍るときに細胞膜が壊れるのか、この厚さでも、
中心部まで「干されて柔らかくなる」のが早いように感じる。
柔らかくて、触感は見た目の透明感そのままの印象。 ということは食感も同様ということ。
後に加熱調理するときの時間の早さは、凍らない場合と比べて、判断できなかった。
まだまだ、サンプル数が少ない。 研究の余地に溢れている。
タイトルの写真は三日目、右列の中央に置かれていたもの。
生でも薄切りで食べてみた。
短冊にして、干し柿のルイベを乗せて、「からすみ」かと見紛う形で食卓に出てきた。
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