ヘルシー・インディアン・クッキング、インドの料理全てが健康的という意味か、それは
不明としか言えない。 どこの国の料理でも健康的なものと、そうでないものもあるだろう。
昭和の時代に於いて、すでに日本食と呼ばれるべき料理に「カレー」というものがある。
横浜と呉、このふたつの港町、どちらも海軍の基地があり、どちらもがそれを由来として
日本のカレーの発祥地として名乗りを上げている。
歴史的経過でそれは理解できるが、この料理は簡単に言えばイギリス系の料理、ということに
異論は少ないだろう。 宗主国が植民地の文化を輸入しアレンジしたもの、と考えられる。
では「インド風のカレー」、今では珍しくないこの料理に、どのようにして出会ったのか、
多説ありそうだが、ひとつには「中村屋のカリー」を外すことはできない。
亡命中のインド人(革命の志士「ボーズ」)を、中村屋の基礎を築いた「相馬愛蔵」が匿って
いた。 それが歴史的因縁といえるだろう。
ボーズから中村屋に、正統なインディアン・クッキングとしての「カリーの調理法」が
伝承された。
なぜ、相馬愛蔵は、亡命インド人を匿っていたのか。
実際には複雑な事情があったのだろうが、愛蔵には良い意味でのキリスト教的理念の影響が
感じられる。(無論、どんな宗教からでも正しいことを受け止め、実践することはできる)
彼は芸術家にも大きく関わり、パトロンとしての責務を全うする。
ノーブレス・オブリージュ(高貴な義務)を果たした人だ。
彼は安曇野の生まれ、旧制の松本中学に途中まで通った。 彼が学んだ小学校の校舎が
現在も残っている。 建物が有名で、重文にも指定されている。
松本市にある、旧「開智学校」だ。 彼はその校名に相応しい人生を送ったのだろう。
きのう、小さな子供に会うために横浜まで出掛けた。
その子は親戚の新婚夫婦の長男で、まだ生まれて13か月の少年だ。
この夫婦のセンスで名付けられた、その名を「開智」という。
君よ、「その身を修め、智を開いてゆけ」。
Musik Within You, Without You