川崎市麻生区にある真言宗の寺院「王禅寺」。
その寺に行ったことはないのだが、「我が家の横浜行きルート」上にあり、
何度も近くを通っている。
実は、知的奥樣方に大人気の東京名所「武相荘」にもほど近い。
この季節、寺の付近は「芋掘り」などで大変賑わっている。
直売所が出ていて、面白いものを手に入れた。
ピンポン球程の小さな小さな柿である。
小さくて、種が多い、食べるところは少なく、味も美味しいとは言えないが。
最近、佐渡へ引っ越した友人へ「東京の思い出」のひとつに、と考えていた。
彼も興味を持っていた「武相荘」、その近くで栽培されるこの柿を記念に
渡したが、別れの宴の賑わいの中で、彼は食べそこねたかもしれない。
佐渡は佐渡で柿自慢の土地である。
しかし、それはそれとして、偶然に面白いことを知ることになった。
(もちろん、王禅寺近くにお住まいの方々には常識なのだろうが)
柿に関わる全ての人が、この小さな柿を無視できないと思う。
柿の名を調べたら、意外なことに、その名は聞き覚えのあるものだった。
「禅寺丸柿 (ぜんじまるがき)」という。
これが「あの有名な禅寺丸」か、と夫婦で驚く。 初めて見た。
詳しく知りたくなってWikiしてみると、
なんと「我が国で最初に発見された甘柿」ということで再び驚かされた。
遠い昔に、王禅寺の山中で偶然に見つかったのだという。
(補足すれば、柿は基本的に渋柿らしい、その渋みを隠すことのできたものが甘柿とのこと)
しかも発見の年代が「1214年」と特定されている、
何か特別な事件が起こったのだろうか、はっきりした記録があると聞いた。
この地域に小田急線が通っている。
その駅名、今まで何の気にもしていなかったが「柿生(かきお)駅」という。
分かった分かった。 一気に理解できた。 三度目の驚きだ。
もはや言うまでもない、この地域は柿の産地。 だから「柿生」なのだ。
「柿生村」では何百年も柿を栽培して来たのだろう。
遠い昔に、この地で見つかった日本最古の甘柿。
「柿生」は日本の甘柿発祥の地だった。
なるほどねぇ~、と思いつつこの小さな玉を、改めて手に取り眺めてみた。
Musik
王禅寺は「東の高野山」とも呼ばれたそうだ。
「高野」からの連想で、久しぶりにハイランドパイプを聞きたくなった。
そこで偶然見つけた、ふざけた(シャレは完璧)名前のバンドの演奏。
これが幸運というものだ。
何といっても、曲名を見てすぐに飛びついた。 有名な「遠い昔」である。
「古い友と再会して、昔を懐かしみ、酒を酌み交わす」、
そんな楽しい歌詞で知られるスコットランドの名曲だ。
これこそまさに、日本で知らない人はいないだろう。
Auld Land Syne (英語ならOld Long Ago)