出会いには「縁」というものがある。
それは、相手が物でも同じだ。
それゆえ、物販を生業にしていれば、客と商品とを結び合わせる、
幸せな場の案内人となる可能性がある。
もちろん、幸せばかりが生まれはしないだろうが。
縁あって、この食器が我が家にやって来た。
深川製磁 FUKAGAWA SEIJI の浅いボウルというか、もしくは深い皿。
この会社は佐賀県の有田町にある。 正真正銘の有田焼きで、ヨーロッパにも目を
向けている。
この中の赤い梅型のボウルで、箱も綺麗だ。
他の国の食事風景を全て知るわけではないが、日本の食卓の良いところとして、
磁器と陶器が混在して使われる、ということがあると思う。
もちろん食器はセラミックスに限るものではない。
草も木も金属も樹脂もあるが日本では、庶民の食卓で、大した法則もなく、
自然に選択され、用をなし、楽しまれているように感じられる。
磁器と陶器は大いに違うが、日本の食卓の「おおらかさ」、「優しさ」が
ここにも見えるようで、無意識の状態ではあるだろうが、善き習慣と考えたい。
日本人がセラミックスに関わりが深い時間を過ごしてきた、ということだろう。
さて、このロッソな皿に何を入れようか。
Musik Bach Italian Concerto First Movement