お盆休みが明けて、急ぎで使いたいビスを買いに出掛けた。
「ビス」はネジのことだと言えばよいだろうか。
ビスはビス屋(ネジ屋)さんに売っている。
ネジは捻る(ネジル)から、そう呼ぶのだろう。
ではビスとは? これが、なんとフランス語の同意語「VIS」からきている。
休み明けで、需要が見込めないと判断されたのか、女性がひとりで店番をしていた。
こちらの注文と、他社からの電話をさばいてゆく。
「ご注文は?」
「M3のバインド、5ミリか6ミリで鉄のニッケルメッキ、在庫がありますか」
「何本ですか」
「じゃ、500本で」
結果、長さ5ミリで必要数が揃った。
「おいくらですか」
「税込み、1,575円です」
お金の用意をして待つと、袋に入ったビスと一緒に、領収書が渡された。
彼女のことは店の人として覚えている。しかし、今年になって初めてこの店に来た。
去年だって何度も来ていない。
それなのに、である。 領収書には「岩本様」と記されていた。 何故?
カメラがあって、顔を認識して識別する仕掛けがあるのかと、キョロキョロした。
気になって、彼女に尋ねてみた。
「どうして、名前が分かるの?」 彼女の答えはこうだ。
「あの車に乗って、男女で来て、このビスを買うのはあなた達だけだから」
こういうことってあるのだ。
あらゆる分野でプロが少なくなって、将来が危ぶまれている日本だ。
ここにプロ発見。 暑さも吹き飛ぶ爽快さと、ビス500本を握りしめ、車に戻った。
Musik プロ中のプロの音楽を聞こう。
Buena Vista Social Club 「Chan Chan」