去年、初めて梅干しを漬けた。 初心者の幸運か、完璧な出来映えと思えた。
経験で理解している、元の梅がおいしいから、梅干しもおいしくなるということを。
今年も漬けることになったが、予定していたnorikoさんの実家の梅が不作だった。
買った梅に何の保証もない、実家から分けてもらった50粒ほどの梅で挑戦する。
これは馬鹿馬鹿しいほど少ない量だと思う。
というわけで、邪道かもしれないが、紫蘇を3倍にした。手間と危険は同じなので。
最初の、梅酢が上がってくるまでの一週間ほどが、カビの生える最も危険な期間らしい。
航空業界でいうところの「魔の11分」ならぬ「クリティカル・ワン・ウィーク」なのだ。
本日、それをクリアし、無事に紫蘇の葉を漬け込んだ。
マジックを見せられているように、透明の梅酢が鮮やかな赤色に激変する。
あの様子は多くの人に体験してもらいたい。
紫蘇を入れる前が「白梅酢」、紫蘇を入れた後は「赤梅酢」。
どちらも素晴らしい、いろいろな料理に使える。これだけでも梅干しを漬ける意味があるほど。
土用がくれば梅も干すが紫蘇の葉も干す、「ゆかり」が出来る。これも絶品。
このように「何重にも有り難い梅干し漬け」と出会えたことを嬉しく思う。
梅干しは、「奇跡の具体」のひとつである。
ここで書ききれるものでないことは想像できますよね。 書けないし、書かなかったのです。
どうやってこんなものを考えついたのだろう、試行と錯誤を重ね、これほど見事な成果に
結実させたなんて。この一粒が語る食文化を、耳を澄まして聴いてほしい。
紫蘇のおかげで、カビてくる危険は激減するのだそうだ。
山を越えたぞ、これでひと安心。 後は静かに寝かしつけておこう。
Musik
全て順調。 All Right Now !
この言葉を聞けば、ポール・コゾフのレスポール(ギターの名称)が頭の中で鳴り響く。
このバンドの活躍は、もう、かれこれ40年も前のことになる。
(梅干しは400年の保存実績があるという)
彼らのアルバム「Fire and Water」は愛聴盤。
「FREE」の演奏で「All Right Now」、これは貴重な映像だ。
ギターを弾くポールの顔は感情が込められてシワクチャ、まるで梅干しのようだね。
天国の様子は、どうだい? ギターは持っていったの?