福岡県に「柳川」という街がある。 北原白秋の故郷、美しい水郷として知られる。 有明海に面し、ふたつの川がそこへ注ぎ込む。 新婚旅行で訪れた、という有名写真家もいる。(写真集「センチメンタルな旅」)
「どじょう」を材料とする「柳川鍋」という料理があるが、これと柳川という街は関係がない。 「どじょう」も獲れそうなのだが、「うなぎ」が有名な土地。
「柳川鍋」は江戸の食べ物である。 これには笹掻きのゴボウが入る。
この料理にゴボウを入れない場合は「どぜう鍋」と呼んだ方が通りが良い。 もちろん、これも江戸の料理。 当時は人気だったようだが、今では普通に沢山の人が食べるという料理ではない。 かなり、レトロスペクティヴなイメージの料理であり、懐古趣味の年寄りが好むものと言う人もいる。
東京以外の地域からお客さんが来た場合などに、話のネタとして連れて行く、そんな郷土料理のひとつ。 不味いものというわけではないけれど、現在の認知のされ方は、僅かに生き残った、何百年か前の料理という認識だろうか。 少し寂しい気もする。
で、この「どじょう」だが、鍋の調理の仕方として、そのまま骨の有るものと、食べやすくするためか、頭と骨を抜いたものがある。
前者は「まる」、まるのままということか。 後者は骨抜きで「ぬき」というようだ。
さて、わたしたち日本の新政権は「どじょう総理」に率いられる。 紆余曲折の末に生まれた新しい総理大臣。 色々なものに足を引っ張られる危険がある。
どじょうの鍋料理から簡単に連想されるが、この場合、「ぬき」は御免だ。
どうか「骨抜き」になって頂きたくないものだが、どうなることか。
新政権は、待った無しの状態からスタートする。 ハニームーンの期間はゼロである。
こちら、「どぜう.com」