有名な香料の原料、もちろん経済的価値も高い「ジャコウ/麝香」を人は追い求めた。
今では、そのようなことはないと思いたいが、ジャコウジカの雄は殺され、下腹部を切り開かれ「ジャコウ腺」を人に奪われて来た、何千年も。 そこまでするほどに人を惹き付ける「匂い」だということだろう。 そこに霊的な魅力さえ感じていたということになる。
個人的には、それに興味を感じないし、由来とは離れて、香りの高いものに冠される「ムスク・マスク/musk」のほうが実生活には馴染みが深い。 最初に例として出るのは「マスクメロン」だろうか。
庭の入り口に「タイム」が植えてある、これは「タチジャコウソウ/立麝香草」とも呼ばれる。
もうひとつ、我が家ではハナニラの「白」と合わせるために青紫色の「ムスカリ/Muscari」を植えているが、これも香りの高さから、その名が付けられたものだ。
この春、お気に入りの一枚。
北海道札幌市の「百合が原公園」に「ムスカリの道」という花壇があるそうだ。 彼の地ではいつ頃咲くのだろうか、こちらでの季節は終わりを迎えようとしている。