自然に親しむというほうではないので、聞いた話だが。 山に生えている樹、秋に葉を落としたら、その葉は分解され養分となって自身に還るそうだ。 畑でも、収穫した残りの部分が集められ、穴に積まれていた。 これも堆肥となって、次の世代へ引き継がれるのだろう。
日付が変わる頃、南の空には「しし座」を追って「おとめ座」が昇って来る。 おとめ座の主星は日本では「真珠星」とも呼ばれる美しい星、それは青白く輝く。 これが有名な「スピカ/Spica」なのだが、中国で「角」と呼ばれるそうだ。
角? その尖った印象、これには驚かされた。
この乙女が、ギリシャ神話上のどの女神なのか、それは特定できないが、乙女の胸に抱かれた麦の穂先を「スピカ」という。
語源から、英語なら「Spike」を連想させるが、同じイメージが中国にあるということになる。 どなたか詳しい話をご存じないだろうか。
写真は我が家から100m以内の景色だ、苗床というべきなのか、麦が密集して植えられている。 これを分けて定植するのだと思う。 育った穂を見て楽しむなら、個人的には「米」より「麦」が好きだ。
家人は食文化に興味を持つ。 いろいろ勉強したことを教えてくれる。 本質であったり、それにまつわることなど。
今回、その親との関係に加えて、大人として付き合いが始まったお嬢さんふたり、新しい姪のようなものだが、それぞれに就職した。 その就いた仕事の関わりだが、家人曰く「う~ん、これは米と麦だな」。 確かにそうだ、しかも前者、姉のほうは基本的に「粒食」であるのに対し、後者、妹のほうが「粉食」とは。
「米」対「麦」、「粒」対「粉」。
彼女達の夢はどこへ向かうのか、二歳違いの姉妹、綾なすその行く末を想う。
有名なバダジェフスカの「乙女の祈り」、髭のオッチャンが歌います