Eva Longoria Parker Announces Godiva Valentine's Day Partnership With Elton John AIDS Foundation
Photo: Charley Gallay/WireImage 2 月 01, 2010
本を捨てるという行為は、躊躇なしにはできない。
去年、あまりにボロボロになってしまったので、捨てた本が数冊ある。 古いということ、それだけ何度もページをめくったということ。 調べものに関しては、ネットで新しい情報が簡単に手に入るので決心できた。
その中の一冊が、ことわざとか、金言とか、故事の由来などを説明する辞典だった。 その本で、いちばん印象に残っているのが、覗き見して目を潰された「ピーピング・トム」の話だった。
2月14日が来ると、いつも思い出す、思い出してしまう。
もはや、日本でもよく知られる話かと思うが、簡単に言えば以下のようになる。
英国の某所で領主夫人が夫の暴政を諌めようとしたが、謹言を聞き入れたくない領主は交換条件を出してきた。 それは明らかに無理難題なのだが、彼女は領民のために馬鹿げた条件を飲んで、結果的に夫を諌め、領民の生活を護ったという伝承的逸話。
領主が出した条件は、「裸で馬に乗り、城下を廻れ。それができたなら言うことを聞こう。」というもので、夫人がそれを受け入れることはないと思われた。 しかし、彼女の領民を思う気持ちは、恥ずかしさに打ち勝った。 そして、その行為に感動し、領主も大いに反省し心を入れ替えた、というもの。
あまりによくできた美談である。
もちろん諸説が多数有るようだが、これが有名な「ゴダイヴァ夫人」の伝説である。
この話にピーピング・トムの話が付け足されたようだ。 領民は自分たちを護るための行為を、窓を閉ざしてその時間を過ごし誰も見る者はいなかった。 ひとり、トムという男が覗き見てしまったらしい。 これでは「話の本質」が変わってしまうが、有名伝説故にそこに派生してきたのだろう。
ベルギー王室の御用達品のリストに「ゴディヴァ・ショコラティエ」の名があるという。 もちろん、この勇敢にして高貴な、そして美しいであろう夫人の名に由来している。
マークも同様。
ラファエル前派「ジョン・コリア」の描いたゴダイヴァ夫人。
ゴディヴァ・チョコレート、前出の本が出版された時代には、まだまだ、日本ではお馴染みの存在ではなかった。
それ故、話は「ピーピング・トムの謂れ」について書かれていたのだろう。