「いただき」には「頂」がなくてはならない、それには油揚げを三角に切る
ことが必要なのかも。
その意味では条件を満たしていないが、これは一回目の実験。
では「頂」とは何だろう、料理の形状からの連想だろうか。 山陰という
地域性を考えると、コニーデ式の美しい「大山(だいせん)」の頂か?
「大山」は中国地方の最高峰で、国立公園に指定されている。
その地の旧名を冠して「伯耆富士」(ほうきふじ)と呼ばれ、愛されている。
その「頂」を違う表現にして「ののこめし」と呼ぶこともあるらしい。
「ののこ」は「布子(ぬのこ)」が変化したと考えられるそうだ。
布子は、想像だが、三角に縫われた綿入の防寒具や雪よけ、かもしれない。
肩まで隠れるように作られ、それを子供が雪の日に頭にかぶっている、そんな
風景を思い浮かべる。 その形と料理の形が似ている、ということだろう。
こちらの方がかわいらしい気もするが、現地での名称の使われ方は知らない。
その姿や、その被り物の頂点から、「ののこめし」や「いただき」と名付け
られたと考えると楽しい。
で、その作り方だが、何と言おうか、「いかめし」と同じなのだ。
いかめしは餅米の比率が高いと思うが、こちらは低い。うるち米だけでも良い。
いかめしの具入りは、食べたことがないが、こちらは牛蒡や人参も合いそう。
油揚げの袋に米と具を入れて、味を付けて煮る。 炊き込みご飯と同様。
「味付けに、外せないもの」は無いようだ。(煮干し豆の八角と醤油のように)
「お稲荷さん」は、食べられる状態のご飯を油揚げに入れる、
「ののこめし」は、米を油揚げに入れて炊き上げる。
なぜ、そのようにするのか、本来の意味は分からない。
土鍋などで炊いて、そのまま食卓に出したりすれば、面白そうだ。
いなり寿司にそっくりなのに、まったく違うものということが示せるし、
食べれば中身がご飯であることに驚く。 善き日の宴には、彩りとなるだろう。
「お護りください、お稲荷様。」
Musik これも頂だ、人類の頂。
Pablo Casals BACH Preludio de la Suite no 1 para Cello